持続可能な循環型建築社会を日本のスタンダードにする事を目的とし一般社団法人茨城県古民家再生協会は活動を行っています。
今年の6月20日、国土交通省記者会にて発表された一般社団法人伝統構法耐震評価機構が進める「早稲田式動的耐震性能診断」を実際の築170年の古
民家を用いて12月8日に検証を行うことになりました。 これは茨城県初です。
早稲田式動的耐震性能診断とは、元早稲田大学理工学術院教授の毎熊輝記氏が策定した調査方法で、実際に調査機を家屋に設置して行います。
現在、一般的に行われている耐震診断は図面や目視で建物の地震に対する安全性を判断する静的耐震診断であり、これに対し動的耐震診断は微細な常時
微動を測定しその振動特性を測定し、その振動特性値により耐震性を評価し現実に即した診断法です。
現在、地震に対する考えが重要視されている中、伝統構法の建物は地震に弱いという声もあり住まわれている方は不安を強いられてる中、一刻も早く
耐震診断を済ませ、耐震改修件数を一軒でも増やすことが急務だと思います。
この動的耐震診断が、より一般化することで建物が壊れないこともひとつであり、それ以上に建物の中の人を守る事が大事です。
今回、調査をおこなう家屋は築170年の茅葺の古民家。
30年前に茅葺屋根の改修工事を実施。現在は経年変化による傷みが目立ち解体をお考えでした。
当協会へご相談があり、調査に出向いたところ、この古民家はとても立派な構造体で構成されており残すことを提案したところ、ここの奥様が涙を流しな
がら喜ばれました。代々受け継がれてきた古民家には歴史と文化がつまっています。
より安全に、そして安心に生活して頂く為には従来の耐震診断では難しく、診断後の補強に関するサポートが必要なため、早稲田式動的耐震性能診断を
実施し、診断の考案者である毎熊輝記氏にお越し頂き診断を実施し、その後の補強についてのアドバイスを受けることになりました。
茨城に残る先人達の知恵や技術のつまった古民家を1棟でも多く守り未来の子供たちへ受け継いでいきたいと思います。
古民家の実地検証 日時 平成24年12月8日(土) 午前10時~
調査現場 茨城県県西地域内
立会 一般社団法人茨城県古民家再生協会 会員のみ 一般の方の立会は受け付けておりません。